年次改革要望書に注目しよう

主権国家として恥ずかしいことですが、アメリカによる日本の改造が進んでいる。
日本の規制緩和や政策は日米間の年次改革要望書を見れば分かる、とも言われるほど。

今は「日米経済調和対話」と改名され、別名「新 年次改革要望書」とも。

を米大使館が堂々公表


直近では最大のトピックであった「郵政法案」はもともと、一人の政治家が始めたのではなく、1989年7月14日の日米首脳会談の際、ジョージ・ブッシュ大統領が宇野総理に提案、実現した「日米構造協議」がはじまり。その後、宮沢総理の時、具体的には1994年からはじまる、現在の「年次改革要望書」へと変わったものが始まり。この一連の関係者を称して、書籍では売国奴と称する向きもある。つまり、小泉総理が勝手に言い出したものではない。

さて、
「日米構造協議」における米国の主要な項目をあげると、
 1.公共投資の拡大 (実行。GNPの10%/10年間で総額430兆円、後に630兆円へ積み増し)
 2.土地税制の見直し(拒否。農地の保有税の上昇、)
 3.大店法の規制緩和(実行。大規模小売店鋪法として出店ラッシュ、地方にシャッター街の弊害)

年次改革要望書」における米国からの要望が、日本の施策として実現した例は、
 1.建築基準法の改正
 2.法科大学院の設置の実現、
 3.独占禁止法の強化と運用の厳密化、
 4.労働者派遣法改正
 5.郵政民営化

日本の国家としての資金力は実は郵政にある。米国の主張では、この資金が国債買い上げに使われているからこそ、外資系金融機関の日本市場への参入障壁が高い、というけれど、現実には日本の、郵政が持つ巨大な預金を市場運用資金として使いたいこと、郵便局による銀行運営に株主として関与したい、日本に進出した米国金融機関の活動を支援すること、以上三点が目的。

年次改革要望書という個別名称は、国会でも口にされない。なぜなら議事録に掲載されるから。

1990年代後半から進んだ労働者の低賃金化の背景は、労働者派遣法であるとする向きもあるし、現在の民主党はそれを修正しようとしている。やり方が下手なのが困るし、見ていてハラハラする。典型的なことは沖縄基地への対応で、立法当事者である国会が定めたこを執行する行政当事者である政治家と官僚の動きがチグハグで、案件として前進どころか後退している感じ。

今起きている数々の不都合なこと、不景気や低賃金化、GDPの停滞は、10年あるいは20年前におこったことが原因。企業だって数年前の判断が今に栄光していたりするので、政治においても同じことが言える。例えば、いま日本の発行する国債残高はGDPの二倍、約1,000兆円に上るけれど、上述した「1.公共投資の拡大 (実行。GNPの10%/10年間で総額430兆円、後に630兆円へ積み増し)」が無ければ370兆円程度であった可能性もある。こういう風に、現状を過去の政策や意思決定から紐解くと実は整合性ある物語になるものです。

こういった仕組みは当事者しか知らないのかと言えば、それはNO。

いまや情報公開が進んでいる。でも、一連のストーリーとはなっていないから意味が分からないのだと思う。

 

でも...不条理を感じたら考えてみよう、調べてみよう。

これがネット時代の有権者の責任。
wikipediaは意外なほどリベラル。全てが真実とは限らないけれど、このページで載せた程度なら、直ぐにでもここまで調べることができる。しかも裏付けと成る資料もリンクで揃っているし、ホント便利。

もっとネットを活用して、知る努力をしてはどうだろう。
本であれば下のような珍しいものもある。

国民として、当事者として、重要なことはもっと理解しようではありませんか!

 

拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる (文春新書)